ステップのレベルについて教えてください。
ジャンプやスピン、スパイラルなどは足元が写っていればテレビでもある程度判断できるのですが、どうもステップだけは未だに判断できません。
足元だけではなく、上半身やリンクの使い方なども重要なようなので、テレビでは結局判断できない感じですよね・・・。
以前に質問したときに「レベル4を狙う選手は60~70ぐらいステップ・ターンを入れますが、レベル3で納める選手は40前後ぐらい」と回答をいただいたのですが(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1332596998)、
レベル4だと
・ターンを10種類(スリー、ツイズル、ブラケット、ループ、カウンター、ロッカーのうち5つを両方向)、
・ステップを6種類(トウステップ、シャッセ、モホーク、チョクトー、チェンジエッジ、クロスロールのうち3つを両方向)、
・総距離のうち1/3以上は左回り、1/3以上は右回り、
・両腕・胴・頭を明らかに使っている、
・回転方向の素早い転換、
ですよね?
「60~70ぐらいステップ・ターンを入れる」とはどうゆうことなんでしょうか?エッジが浅くて認定されないことを想定して、「数打ちゃ当たる」で、たくさんステップ・ターンを入れるのでしょうか?
※特定の選手の質問ではなく、ステップの質問です。
まぁ数打ちゃ当たる、というのは全くないとはいえません。
というのも、完全無欠のエッジワークを持っていて、あらゆるターンとステップを一動作で繋ぐことができれば、レベル4を取るのにステップとターンは合わせて20個もあれば十分です。
しかし、そんな選手はいないわけです。
CoPになってからステップのエッジワークもスロー再生で確認されるようになっため、例えばロッカーをやったつもりでもブレードがフラットになっていればそれはターンとしてノーカンです。
そのため、ノーカンになるものも考慮してセーフティとして必要以上のステップとターンを取り入れます。
そもそも60個もステップ、ターンをブチ込んだステップシークエンスをする人なんてそうそういません。
レベル4を獲得することが比較的多い選手のステップシークエンスは40そこらのステップとターンで構成されています。
また、ステップとターンの数がやたらと多い選手の傾向として、先にあげた「ターンとステップを一動作で繋ぐこと」が下手な場合が多いと思います。
その理屈としては、まず、「ターンとステップを一動作で繋ぐこと」が下手だとレベル獲得要件の「回転方向の素早い転換(3回やらないとレベル獲得要件とならない)」が中々上手くいかないので、これも認定されなかった場合のセーフティとして何回も繰り返さなければなりません。
そうするとグネグネ蛇行するようなステップシークエンスになり、ステップシークエンスの距離自体が伸びてしまうので、今度はレベル獲得要件の「総距離のうち1/3以上は左回り、1/3以上は右回り」を満たすのが難儀になります。
滑走距離が長くなってしまう状況で「総距離のうち1/3以上は左回り、1/3以上は右回り」を満たすには、当然短い距離のステップシークエンスよりたくさんのステップとターンが必要になります。
要するに、正確なエッジワークでステップとターンが踏めて、そのつなぎも上手い選手ほど、少ない労力で高いレベルが獲得できるのに対し、エッジワークが不正確だったり、つなぎが下手だとレベル獲得のために大量のステップやターンが必要となるのです。
これはよく考えられたレベル獲得条件だなと思います。
分かりにくい書き方だったので、もっと単刀直入に書き直します。
まず、引用されている「レベル4を狙う選手は60~70ぐらいステップ・ターンを入れますが、レベル3で納める選手は40前後ぐらい」というのは、「ステップ・ターンを入れますが」という点が、間違っています。
この回答者の方が言う60~70というのは、シングルのルールで言う、ターンとステップの数ではないでしょう。こういう数え方が広まっているのは、多分次のリンクにあるような解説ビデオが誤解されてしまっているのだと思います。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2390076
ビデオで使っているように、多分、この回答者の方は、シングルで言う「ステップ」「ターン」の数ではなく、アイスダンスで言うところの「ステップ」の数で話を進めているのだと思います。
http://www.ice-dance.com/reference/compulsories/fourteenstepchart.j...
ここで使われているRFI, LBOなどの記号は、R(右)、L(左)、F(前)、B(後ろ)、I(インエッジ)、O(アウトエッジ)のことで、それを使って、動きを示します。だからたとえば、右足のカウンターでは、RFI→RBI、RFO→RBO、RBI→RFI、RBO→RFOの4種類があります。チェンジ・エッジであれば、RFI→RFO、チョクトーであれば、LFI→RBO、のようになります。
つまり、カウンターはそれで一つのターンですが、記号だと2つ現れますし、本来シングルのレベル4では、ターンとステップあわせて16を入れればいいのですが、途中に入るカウントされないただ滑っているだけのスケーティングも入れると、記号の数が多くなります。そういう要素とは無関係なステップを勘定に入れてしまっているので、こういう大きな数字が出てきてしまいます。
また、カウントされるステップやターンを余分に保険として入れることはありますが、ビデオのように簡単なスリーターンを10個も入れることは、保険としてはナンセンスです。スリーターンをのぞけば、レベル4でも要素を20以上入れるような選手はまずいません。余分なスリーは単に音楽に合わせて「入ってしまっている」だけで、カウントを期待してなどいません。
全体でいくつ、と数えるのではなく、どの要素がいくつ、と数えるわけですから、判定が危なそうなものを余分に入れておかなければ無意味です。だから40にせよ、60~70にせよ、レベルが高いステップはやたら数撃って当てようとする、という考え方は間違いです。
レベルが高い選手は数が多い、という考え方は、「ある特定の選手がせわしく足を動かしていないのに、足を細かく動かしている選手と同じレベルっていうのはどういうことじゃあ」という理屈付けによく使われていますが、ルールを理解していないのだと思います。
きちんとルールを把握して、ステップ・ターンの種類が分かっていれば、テレビでも十分レベルの判断はできます。
が、それと楽しんで見るための姿勢とは別物だということは付け加えておきます。普通に楽しんで見るのに、そんな細かいことを気にすることはないと思います。ジャッジが判断してくれるので、見ている側としてはそれで十分でしょう。
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